産婆と語ろう会(前編)
公開日: : 日々のこと
2024年12月14日市立図書館2階会議室で行われました。メンバーは70代の方5名、60代の方1名、2歳から5年生のお子さんをお持ちの若いお母さん3名、80代1名で総勢9名。和やかにそれぞれの方のお産の体験のお話しをしていただきました。私はいつも「産み方は生き方」につながると思っています。やはり皆さんのお話が大変お勉強になりました。これからも、特に年齢に問わずお産の時の体験談を紹介したいと思います。
【Aさんの体験談】
助産院でのお産を決めていましたが、予定日が2週間過ぎても、陣痛が来なかったので病院に搬送になり、陣痛促進剤を使用することに。
促進剤を飲んだあと、しばらく様子を見ていても、陣痛がくる気配がないため、医師に点滴を携帯処置して歩く許可をして欲しいとお願いしました。
歩くと陣痛がくる事は、朝比奈先生から教えて貰っていたし、自分の身体も歩くと陣痛が来ていたので、歩かない理由はなかったのです。
しかし、歩く事の許可がなかなか降りず、帝王切開手術の同意書を書かされ、私がパニックになったため、夫が「点滴しながらでも歩行させてください。」と交渉しました。
医師も点滴をしながら歩行する事を、やっと受け入れてくれたので、点滴をしながら病院の階段を登り降りしました。そうして陣痛が強くなり結局は自然のお産ができました。
最後まで頑張りきれたのは、電話越しに伴走してくださった朝比奈先生の心強い存在があったから。妊婦も赤ちゃんの声も完全に無視した病院出産のやり方と闘いながら、自分の身体と赤ちゃんの声を聞きながら主体的な出産を叶えられました。
朝比奈先生との出会いは、妊娠初期のお産の勉強会。
この時一度だけしかお会いしておらずだったのですが…
病院出産になったという時点で完全に手を引いてしまった担当助産婦さんを私は頼る事もできず、朝比奈先生に連絡すると、なんと、担当助産婦さんでもないのに、ずっと伴走してくださったのです。感謝してもしきれません。
女性の幸せを願い、命懸けで妊婦を伴走サポートしてくださり本当に本当にありがとうございます。(Aさん記)
体験談ありがとうございます。
彼女の「自然で産みたい」と言う信念に応えるのが産婆の心でしょう。開業助産師はどうしてもガイドラインがあり、病院に搬送したら、それで終わりと言うところが多いと思います。産婆はあくまでも、妊婦と伴走するのが産婆だと思います。今問題なのは妊婦が病院に入院してしまったら、助産師はなかなか手が届かないのが現実です。しかし本来でしたら、妊婦がどの様に考えているか?あくまでもサポートするのが産婆の大切な役割だと思います。病院で促進剤を使っても、陣痛が来なかったら、どうしたら陣痛が来るのかを教えてやることが大切でしょう。Aさんは「絶対自然でお産をしたい」と固い信念があったから、点滴をしながら、自然のお産ができたのです。こんなことが人生で大切なのだと思います。
日本にはまだ「インフォームドチョイス」が言われておりませんね。つまり誰が選ぶか、それは患者や妊婦、産婦なのです。
つまり医師の言うことを妊婦が理解して、選ぶのは妊産婦なのです。まだまだ日本の医療は人間尊重がないのではかいかと思います。
Aさんに「喝采」を送りたいです。本当に素晴らしい挑戦でしたね。
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