フィンランドからzoom
8月27日は「お産を学ぼう会」でした。ご主人がはフィンランド人のAさんゲストスピーカーでフィンランドから出席していただき、7年前の彼女のお産の体験をお話ししていただきました。
彼女は38歳でフランスで妊娠しました。しかし日本の病院で受診したら直ぐに「あなたは高齢でもあるし、また筋腫もあるので、帝王切開ですね。と一刀両断に言われ、びっくりして路頭に迷い、巡り巡って私の助産院にいらっしゃったのです。
私が彼女にお会いしたのは、痩せて、気落ちし、活力のない状態の彼女でした。その時「私は赤ちゃんを自然で産みたいのです」と信念を持って私のところにいらっしゃいました。私のところは助産院です。助産院は異常のお産はできないことになっております。
そこで私のところから近くに病院がありますが、そこで働いていらっしゃる医師で大変自然志向の医師がおりましたので、彼のところに行って、受診を勧めたのです。そうして、彼女は「自分は自然出産を希望だが、病院ではまず帝王切開ありきで健診をしているのです。筋腫があるのだが、これから自然出産ができるかどうか見てほしい」と彼女はちゃんと、自分の希望を言って受診しました。その医師は、エコー等でよく視察してくれて「大丈夫じゃないーい?」と一言彼女に答えてくれたのです。そうして、彼女がもう一度私の所に、いらっしゃったのです。
そこで私は本格的に自然出産の方向へ向うということになりました。
彼女の気持ちも自分が自然に生むのだと言う、信念のようなものが湧いてきたのでしょう。最初に私のところにいらっしゃった感じではなく、お産を自主的に取り組もうという姿勢が見えてきておりました。そうして、自然なお産は自分がするのだから、まず体を鍛えるという考えが生まれてきており、前回のひ弱な体つきは、段々と違ってきていました。それは彼女と、フィンランドの彼はもうできる範囲まで散歩をし始めていて、体力をつけ始めているのです。
そうです、お産をするには妊婦の体力が大切です。まずそれが大切です。体力をつけると、精神力が付きます。彼女気持ちも確固たるものになってきていました。そうして彼女とご主人は毎日、4時間くらいは歩いていました。
結局予定日より1週間は遅くなりましたが、無事に赤ちゃんを自分達の力で産んだ感じです。
実は正直、私は彼女お産が3日間かかり、そのお世話で私も体力的にギブアップしたので「申し訳ないけど、私はもうサポートできない、赤ちゃんの心音もちょっと下がってきているし、出血も少し出てきているので、もう救急車を呼びますので病院に行って下さい」と言ったのです。
そうして私は彼らのケアを後輩の助産師に任せて、2時間後、救急車を呼ぶ為に書類を記入していたのです。すると、横になって居た彼女のご主人がヌックと立ち上がり「階段の上り下りしよう」と二人で階段の上り下りをし始めました。そうして、陣痛がきて、息みが来たら彼女は立ちながら、ご主人の肩を持って息み出したのです。まさに二人で一緒に階段を降りたり登ったりしながら自分達で絶対自然で産むと言う強い意志で息んでいたのです。それから1時間半くらいになったでしょうか?後輩の助産師が「頭が見えます」と言っているのが二階から大声で聞こえました。本当です。素晴らしい、もう赤ちゃんの頭がそこに来ているのです。そうして、畳のお部屋に入り赤ちゃんが生まれました。すごい、殆どご夫婦で産んだのです。ご主人のフィンランド人のTさんは「僕は絶対帝王切開は嫌でした。もしここでできなかったら世界どこへ行っても自然でお産をしたかった」と言っていました。それで「自然は日本が一番だと思うよ」と私が言いました。
彼は「赤ちゃんにとっていかにストレスが少ないことが大切かをいつも考え、妊婦の彼女と散歩していた」と、本当に信念の強さをしめしてくれました。